小倉 涌 -二月革命-
Yow Ogura -February Revolution-
皆殺しの天使
The Angel of Massacre
Mixed media by mainly tempera on panel
90.9×72.7cm
2015
■会期 / Date
2018年9月22日(土)- 10月6日(土)
Sep.22 [Sat.] - Oct.6 [Sat.], 2018
★オープニングレセプション / Opening Reception
9月22日(土) 18:00-20:00
Sep.22 [Sat.] 2018 18:00-20:00
■時間 / Open
11:00-18:30
■休廊 / Closed
9月23日、24日、30日、10月1日 休廊
Closed on Sep.23, 24, 30 and Oct.1
この度LOWER AKIHABARA.ではGALLERY KOGURE企画として、小倉涌「二月革命」を開催いたします。壮絶な動乱の場面に切り込んだかのように描かれているのは、今回のメインテーマである「被支配」の世界です。逃れられない政治や宗教という名の支配下に於けるそれぞれの人々の在り方や生き様を激しく捉えた強烈な小倉流の世界観は、過去でもあり現代でも有り得る「支配される」ことそのものに正面から向き合い描かれています。
小倉は京都精華大学美術学部デザイン科で、ビジュアルデザイン、コンピューターグラフィックスを学びました。彼女の制作は、まずCGを屈指して描く場所や室内の世界を丹念に作り込み、その世界の中でまるで旅をするように自由に視点を動かすことでモチーフや場面と出会います。客観的にモチーフを眺めるのとは違い、小倉がその状況下でモチーフのすぐ隣にあって同じ危機感を体感しているような臨場感あふれる作風が最大の特徴です。類似例としては、かつて描かれた戦争画が思い出されます。またある作品では、小倉が自由に空を鳥のように飛んでモチーフの上を風のように駆け抜けるような視点で描かれています。いずれも鑑賞者を歴史(現在でもあるであろう)の視座へいざない、いずれも映画のワンシーンのように観る者の脳裏に強く刻まれます。
前回の個展から本展まで、小倉はより深くロシア革命や藤田嗣治らによる歴史画の研究に没頭し、あるいは病との闘いなどを経て6年の月日を過ごしました。これまで発表した連作では、実在の歴史と政治による問題点をテーマとして独自の視点からとらえてきましたが、今回はいつどこでもないユニバーサルな世界、つまりいつどこでも起こり得る被支配そのものがテーマとなっています。それは必ずしも苦しみや痛みだけでなく、その向こう側に見えるであろう光景を小倉流のデフォルメで色彩豊かに生み出されており、そこに小倉のモチーフへの愛が感じられます。是非ご高覧ください。
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